どーも店長です。
初めましての方に「この人にお願いして大丈夫か?」と思われるといけないので、たまに個人的なお話を書いています。今回は前職の『靴屋さん』について。
目次
靴屋さんの経験って便利屋さんに活きるのでしょうか?編
工務店さんから便利屋さん、引っ越し屋さんから便利屋さん、水道屋さんから便利屋さん、などなど便利屋さんを開業する人の前職って比較的現場関係のお仕事の方が上手くいくとされています。
そんな中で、店長の前職は『靴屋さん』でした。
※他にも色々やっています
うぉいうぉい店長!そんな経験で現場仕事大丈夫なのか!?!?
とツッコミを受けてしまうかもしれませんが、全く問題ありません。理由は次の『現場関係のお仕事大丈夫なのでしょうか?編』でお話しします。
いや、靴屋さんの経験はめちゃくちゃ生きています。今回はそんなお話をしましょう。
靴屋と言ってもただの靴屋ではない話
今となってはフランチャイズ店舗も合わせると働く人が35人くらいいるでしょうか、そんな会社ですが8年半前に私が働き始めた時はたったの3人しかいない会社でした。社長夫婦と先輩社員が1名(3ヶ月後に辞めてしまったのでほぼほぼ社長夫婦と私)しかいない小さな会社でした。
数字に強すぎるアメリカ人みたいな敏腕社長(卸部門)と、キレッキレの経理の奥さん(小売部門の方の社長)、会社の事業は主にランニングシューズの輸入代理店(その他アウトドアブランドも多数)でした。私が入社して半年後には小売業もやりたいと社長が小さな靴屋さんを作り、それを軌道に乗せるのが私の仕事でした。3人しかいないのに代理店としていわゆる『ブランド』を日本で展開しつつ小売店を始めてしまうところ、なかなか攻めてました。
私はメーカーの担当者として50%くらいを営業・返品クレーム対応・ネット通販・販促のためのイベント出店で地方や店舗も回ったり、展示会の手配などなどもやりつつ、小売店の店長として残りの50%くらいをブログ・SNS・イベントなどを駆使して集客販売まで1年目から全部やるという笑、今考えるととてもよく働いてました。
もちろん販売している商品価値が高かったことや業界自体が右肩上がりだったこともあり、業績も順調に上がっていきました。
最終的には社長が小売店をフランチャイズ展開し、当時は7店舗の管理と、初年度の20倍くらいの売り上げになったECサイトの運営管理、ブランドPRイベントの責任者、バイヤーとして仕入れの判断などまでが私の業務でした。(ブランド業務からは途中で離脱しました)
今では店舗はさらに増え、国内13店舗とアメリカまで出店しているので、本当に社長をはじめ経営陣の辣腕が光る会社だなと思います。
靴屋での経験がどのように活かされているか
今思うと28歳から35歳までの仕事におけるゴールデンエイジ(勝手に私が呼んでいる)を、自分のビジネスに投資せず会社員として働いていたと思うと本当にもったいないと思うのですが笑、成長する会社を肌で感じられたものすごくいい経験をすることができました。
小売業はビジネスの基本である『安く仕入れて高く売る』ことを学べます。その他にも店舗管理・営業・集客など今の便利屋さん業務においても仕事をいただくために必要なマーケティングスキルの多くを学ぶことができました。
ブランドとしての卸売業の側面では、BtoBのやり取りや基本的なビジネスマナー・ビジネススキルを学べます(とは言えアウトドア業界はかなりゆるめです)。
靴屋と言っても基本は山岳スポーツ(トレイルランニング)とランニング用の靴なので、業界は狭く、さらにカテゴリーが分かれるので、しっかり差別化されたフィールドで戦っていたと思います。こういった差別化や戦略の部分も十分に学べたことだったでしょう。
経理は守護神がいたのであまり詳しく触れることはしませんでしたが、とにかくたくさん仕入れてたくさん売るためのありとあらゆる方法は試しました。自分のお金では到底いじることのできない数字をつける感覚も(他人のお金で仕事するのが1番楽しい)養われたし、自分は絶対に小売業はやらないと決めることもできました笑。
今でも数字はきっちりではなく感覚的に捉えていますが(そろそろちゃんとせねばと思う)、時間に対する売上については比較的シビアに考えています。なので見積もりに対して「もっと安くなりませんか?」的な発言をされると、相当ひまなタイミングでない限りは基本的にその仕事は受けません。(なので安さを最優先で依頼を決める方は他のお店に行ってください)
WEB関係もできるようになりました
本気のWEBの専門家さんからしたら中途半端かもしれませんが、一般の人が満足できるページの制作や、WEB集客、ネット通販などはやってるうちにできるようになったので、これが意外と役に立ちます。他にやってるイベント関連のお仕事もWEBサイトを外注しなくて済みますし、友人のページなどを作ってあげている内に、仕事の依頼が来るようになりました。
これらも靴屋時代に1回だけWEBの専門家(須藤先生、本当にありがとうございます)に数時間教えてもらったあとに、Udemyというオンライン学習動画を見ながらいじってたらできるようになってました。
地域のお客さんに向けて専門的な靴を売るだけだと売上が取れないので、ブログ等を駆使して全国にお客さんを作って販売していました。当時の私の戦略としては『シューズ名+サイズ感』『シューズ名+レビュー』というキラーキーワードをなるべく詳しく書くことで、多くの利用者の獲得ができていたと思います。
今だったらもっと色んなサジェスト(キーワード)や戦略を考えられますが、当時はそんな感じでした。
便利屋さんに活かされる経営編
例えば小売業みたいにお金が大量に動く商売は、1人で経理まで行うのは正直つらい(やってる人を本気で尊敬します)し、手元のキャッシュを在庫に突っ込まなければ売上は上がっていきません。その反面、ネット集客が上手くいくと休んでいる間も売上が立つなどいい面もありますし、誰かに任せやすいビジネスです。
しかしやはりキャッシュに余裕がないと始めるのは相当大変なのかなと思います、資金繰りなども考えなければなりませんし、いざという時のリスクにも備えなければなりません。
まず、業種選びでリスクを抑える必要と、軌道に乗るまでのスピード、今後需要が伸びていく産業選びなど、すべての考え方はマーケティングにあります。競合調査やポジショニングの分析なども必要になります。これらの感覚は、靴屋さん時代に大手から差別化してなるべく戦わない方針で運営していた会社にいた経験だと思います。
便利屋さん経営に大切な数字・時間についてはこちらにも記載しました。
個人経営において、このポジショニングはとてもとても大切な考え方で、いわゆる『才能』みたいな言葉にも関わってきます。
スポーツの例を挙げてみると、人口の多いサッカーでJ2のスタメン(めちゃくちゃすごいけど)の人の方が、セパタクローで日本代表の選手よりも稼げることでしょう。マラソンで実業団で20番くらいの選手(めちゃくちゃすごいけど)の方が、競歩で日本一の人より稼げることでしょう。
スポーツの分野は『1番』になりたくてアスリートを続けている人が多いと思いますが、カテゴリーを落とした1番では「才能がある」かもしれないけれど(どちらが上とかではなく競技人口の多さやメディアの露出時間など)高いカテゴリーで戦う方が、実は戦いやすい(継続しやすい)です。
みたいな話で、『生活支援サービス』という星の数ほどあるレベルの職業でも、地域に絞れば大した競合の数はいないので、売上は立ちやすいです。飲食業もそう、『飲食』と言う大きなカテゴリーの中で地域とジャンルを選べばそれほどの競合は多くないみたいな考え方になります。
便利屋さんでのマーケティング編
『靴屋さんの経験が活かされている』と言っても、業界も業種も全然違うのでマーケティング戦略や戦い方はまるで違います。というのもWEB検索で仕事に直結するキーワードの多くは広告やマーケティングの専門家(特に現場仕事などしたことがなく集客だけして見積もりまで取って全て外注する会社)のサイトで独占されているため、新規参入の我々がWEBで入り込む隙間はほとんどありません。
そこで入り込める隙間は『Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)』が圧倒的と言っていいと思います。『地域名+困りごと』『地域名+業種』や単純にGoogleマップ上での業種名やサービス名検索などでいかにトップを取りに行くか、そこまでやってる便利屋さんは近所にはいません(町田に1社あります)ので、WEB集客についてはそれで十分な反応が得られています。
またフランチャイズ本部で教え込まれた『毎月30,000のチラシを撒きましょう』という鬼の言葉。確かに仕事は一定数来ますが、30,000枚撒くのを外注すると広告宣伝費のコストは200,000円を超えてきます。それに見合うだけの売上が来る月は平穏なメンタルで過ごせますが、そうじゃない時の心の不安定さはえげつないです。
本部は外注せずに自分の手で配ることを推奨されていますが、時給換算したら600円くらいになったのでもう死んでもやることはないでしょう。そういった数字の判断などもよくよく考えればできることですが、そうじゃかったら最適化することもせずに本部のせいにしていたのかもしれません。
現場関係のお仕事大丈夫なのでしょうか?編
はい、全く問題ありません。理由は下記のリンクでも記載しているように現場関係の仕事はみっちり若い頃に行いました。
便利屋さんで必要な現場関係のお仕事というのは、主に除草作業・清掃作業・害虫駆除・引越し作業などが挙げられますが、この手の仕事は本気のプロが動画(YouTube等)で詳しく解説してくれていますので、道具をケチらずに購入して、何度かやっていくうちに再現できるようになってきますし、たまにしか依頼がなく再現できないような壁紙を貼ることや水道関連の専門分野のお仕事は、その手のプロを紹介するだけで満足してもらえることがほとんどです。(できないことを無理にやる必要はなく、できることをなるべく増やしていく努力をしていればOK)
それよりも、見積もりの時に丁寧に話を聞く、身だしなみを整える、ちゃんと挨拶するなど当たり前にやってほしいことをしているだけで、金額以外で断られることはあまりありません。
まとめ
今回は前職の靴屋さんと便利屋さんとマーケティングに関するお話をしてみました。
ふーんという感じかもしれませんが、我々の事業の価値はお客さんの不便をわかりやすく解決することやしっかりと話を聞くことです。そしてそれらを継続してこそお客さんのためになります。継続させるためのスキル・経験という意味での靴屋さんの経験を紹介してみました。
今のスタイルが正しいかどうかは続けてみないとわかりませんが、時代の変化に合ったサービスも提供できるよう、日々情報収集やスキルアップにも励んでいきたいと思います。ではまた
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