「親が元気なうちは話しづらい」「まだ早い気がする」
そう思って実家の片付けや整理を後回しにしている方は少なくありません。しかし、突然の入院や相続が発生すると、実家が空き家になってしまうリスクがあります。本記事では、親が元気なうちに進められる“生前整理”の方法と、空き家にしないための第一歩を、日野市での事例も交えてご紹介します。
なぜ「親が元気なうち」の生前整理が大切なのか

突然の出来事で実家が空き家になるケース(入院・施設入居)
我々へのご依頼の中でも多いのが『入院』や『施設への入居』で実家が空き家になるパターンです。ある程度高齢になってくると、ふとした転倒から骨折→入院→「もう自宅には戻れない」と告げられる、といったような流れでそのまま入院や、入院した後に施設への転院入居など、特にひとりでお住まいになっていた方が、急な入院入所で実家に戻れなくなってしまうケースは少なくありません。
まだ意識がはっきりしていて判断が明晰なら問題ないのですが、ケガではなく脳梗塞など病気や後遺症が出た場合、などは、親が大切にしているものがわからなくなってしまうケースがあります。
元気なうちなら一緒に相談・判断できる
親が元気なうちなら一緒に相談できますが、認知症が発生してしまった場合や入院や施設への入居に伴って、実家に戻れなくなってしまった場合は、なかなか処分するものなどを説明するのも骨が折れます。『自分のものでないから勝手に捨てられない』と判断を先にしてしまうと、その後亡くなってしまった後はやることがたくさん発生してしまうので、手が回らなくなってしまう可能性があります。
できれば親が大切にしているものを一緒に相談しながら保管し、不要なものは早めに処分しましょう。親の立場としても要らないものをたくさん残して迷惑をかけたくないと口にする方はとても多いです。
家族の負担を減らし、トラブルも防げる
親が元気なうちに身軽にしておくことで、いざ亡くなった場合などに一気に発生する相続やお葬式の準備、死後の事務など膨大な「やるべきこと」で、残された家族にもそれなりのストレスがかかります。なかなか協力してくれない家族などがいるとトラブルになってしまうことがあります。
なるべくトラブルや喧嘩を発生させたないためにも、親が元気なうちに負担を減らせるところは減らしていきましょう。
生前整理を始める前にやるべき3つの準備

① 家族で整理の目的を共有する(空き家回避・相続準備・生活の安全確保)
いきなり「生前整理しよう」と提案したところで、元気な親もちょっと戸惑ってしまう可能性があります。なぜ「今」生前整理がしたいのか、目的を共有しましょう。亡くなった後にすぐに実家の売却や処理ができないと、空き家として長く放置してしまうことになり、なかなか手がつけられなくなります。また、認知症になって入院が長引いてしまたりすると、実家の売却が進められず滞ってしまいます。
物が多いと通路に障害物があったり、屋外に物がたくさん放置されていたりすると放火のリスクがあったりと、生活の安全のためにも生活に不要なものを減らしてスッキリさせておきたいなど、生前整理のメリットを共有しておきましょう。
② 親の気持ちを尊重する(勝手に進めない)
『生前整理をしておきたい』という家族側の気持ちを共有しつつも、親の気持ちも最大限尊重しましょう。子供になんでも決められるのは気分がよくありません。
親も『自分の子供に迷惑をかけたくない』と考えている人が大多数です。親の生活や思い出がたくさん詰まっている実家ですから、親の意見を尊重しながら進めていきましょう。
③ どこまで整理するか範囲を決める
1番最初に手をつけやすいのは、親の荷物ではなく実家を出て行った際の自分たちの荷物です。我々も戸建ての空き家の整理に行くと、親の荷物もさることながらお子さん(依頼者のことが多い)の荷物がたくさん残っている現場をよく目にします。
実家を出て行った後に子供の物を保管している親はとても多いです。
まずは実家の整理に行くときは自分の荷物を優先して処分し、その後にご両親のものを減らしたり、家具を小さいものに買い替えてあげたりするといいでしょう。
※余談ですが今年の5月に私も実家の家具を少し小さいものに買い替えました。
生前整理で実際にやること

① 貴重品・重要書類の確認と保管
特に重要書類の確認と保管は重要です。その他、もし聞けるのであれば有価証券など相続の対象になるものがどのくらいあるのかを確認したり、保管する場所を一緒に決めたりなど亡くなった後にスムーズに事務処理が進められるように情報を共有できるといいでしょう。
② 思い出の品の選別(親と一緒に)
家族の写真や当時のビデオテープ、一緒に旅行に行った時のお土産など親と一緒に過ごした時の思い出の品もきっと出てくることでしょう。生前整理の本質は『処分する』ことではありません。大事なものを大切にとっておくことです。もちろん物も大切ですが、親と思い出の品を選別する際に話をするという大切な時間を共有することが、親にとっては何よりのプレゼントかもしれません。一緒に選別していく中で親が大切に思っているものを「保管」することが1番の生前整理です。
大切なものを選別した上で、使わない家具や家電の処分に進んでいきましょう。
③ 使わない家具や家電の処分
使わなくなってしまった家具や家電にも思い出があるかもしれません。しかし、物理的に物を減らしていくことは、生前整理を進める上で大切なステップです。使わなくなった物も、かつては生活を支えてくれていた物です。感謝してお別れしていきましょう。
家具は粗大ごみで、家電は日野市の場合は小型家電・粗大ごみ・家電リサイクルと処分の仕方が別れますので、自治体のルールに則って処分していきましょう。家電リサイクルについては少し厄介なので、こちらをご確認ください。
④ 家の安全点検(バリアフリー化や修繕)
生前整理に合わせて家の安全点検も進めましょう。特に不要な段差は転倒してしまうリスクがあります。また、角が鋭利な家具も転んだ際に危ないかもしれません。実家の両親と相談し、段差を少し減らしたり玄関に小さい階段を設けたり、体力に合わせてバリアフリーや修繕も行えるといいと思います。
最後になりますが、『物を処分する』という判断をすることには脳に一定のストレスがかかります。1度に「いる」「要らない」をたくさん判断させてしまうととても疲れてしまいます。親の立場に立って、1度にたくさんを求めず、こまめに足を運んであげる方が喜んでくれることでしょう。
空き家にしないための選択肢

① 親が住み続けられる環境づくり(リフォーム・安全対策)
空き家にしないための1つの方法は、できるだけ長く親が住み続けられる環境を作ることから始まります。転んで入院して実家に戻れなくなってしまった・・なかなか想像がつかないかもしれませんが転倒した際に大腿骨などの太い骨を折ってしまうと出血量が多かったり最悪歩けなくなってしまうことがあります。バリアフリーじゃない家には戻れないと、急いでリフォームをしなければならなくなったりすることも多々あります。(その際の片付けやハウスクリーニングで我々は呼ばれることが多いです)
なので、できるだけ体力に合わせてバリアフリーにできるところをバリアフリーにしたり、転倒しないように段差を減らしたりなど、親が住み続けられる環境整備を進めていきましょう。
② 将来の住まい方を一緒に考える(同居・施設入居など)
親が元気なうちに将来の住まいを一緒に考えておく必要があります。親と同居するのも1つの選択肢ですし、施設へ入居してもらうのも1つの選択肢です。まだまだ元気でそのまま過ごせる人は実家に住み続けるのが1番幸せである可能性が高いです。しかし、元気でなくなった時、病気や認知症になってしまった時など、万が一の時の住まいについて事前に話し合って選択肢を見つけておくことも、「空き家にしないため」の選択肢になります。
例えば『万が一病気で施設への入居が必要になった際には、実家は売却して入居費用に充てる』という方針が決まっていたら、残された家族はなるべく早く実家の売却や整理を進めることができます。将来の住まいを、もしもに備えて話し合っておくことはきっとプラスに働くことでしょう。
③ 家を活用する方法(賃貸・空き家バンクなど)
実家を手放すのはまだちょっと早いと感じてしまう人も多いと思います。子供のころ自分たちが育ててもらった家がなくなってしまうのは切ないですよね。そうした場合に、実家を売却(取り壊されてしまうことが多い)せずに、賃貸住宅として貸しに出したり、自分が実家に戻るという選択肢も考えられるかもしれません。
また、遠方の場合ですぐに判断ができない場合や管理に時間やお金がかけられない場合などは、行政経由で活用を進めてもらうことも選択肢です。日野市では空き家の利活用についての取り組みがとても進んでいます。
日野市で生前整理を進めるなら

生前整理は遺品整理と比べると他に切迫してやらなければならないことが少ないため、自分たちで進めることが多い取り組みです。大型の家具や家電の搬出は難しいかもしれませんが、やれることは多いですよね。しかし、時間的に難しかったり、自分たちでやりたくないという場合もあるでしょう。その際は地元の業者を活用することをオススメいたします。
地元業者を利用するメリット(地域ルールに詳しい・地域密着で安心)
生前整理を進めようとする場合、近くの業者さんの方がさまざまなメリットがあります。例えば業者が業者のごみとして不用品を処分するのと比べ、日野市民である親の家のごみとして日野市の粗大ごみで処分した方が、かなり処分代が安く済みます。粗大ごみ以外についても、日野市の可燃ごみや不燃ごみで不用品を処分できれば実際の処分費用は相当安く済みます。また、日野市の地元の片付け業者は日野市のごみのルールを熟知しているため、分別のスピードがかなり早いです。
もう1つのメリットは、地域密着で商売しているため近隣にお客さんをたくさん抱えているため、悪い噂が立ってしまうと商売が成り立ちません。そのためとても親切に対応してくれることがほとんどです。
※遺品整理や不用品回収の業者の中には、処分費用や固定費が安い地域(近隣だと特に神奈川県と埼玉県)の業者が、東京で高額な費用を請求するケースが多いです。業者さんへのクレームも遠方のためなかなか届きません。必ず見積もりに読んだ場合は業者さんの住所を確認しましょう。
不用品処分・貴重品探索・清掃まで一括対応可能
我々は生前整理・遺品整理のプロフェッショナルとして、重要書類の探索や分別・仕分けなどをスピーディに行います。家電リサイクル対象商品の処分や粗大ごみの安価な処分の提案、日野市の粗大ごみのルールややり方の解説までなんでもご相談いただけます。また、整理と合わせてハウスクリーニングや、小回りの効いたリフォーム業者さんの紹介などもお任せください。

相続や不動産の相談にも繋げられる(士業連携)
我々は空き家相談士という資格のもと、生前整理の段階から相続や不動産の活用・売却まで士業さんと連携して相談を承っております。司法書士さんや不動産屋さんなど1つ1つ信頼できるところを探すのは骨が折れる作業ですよね、我々にご相談いただければ信頼できる士業の方を紹介させていただきます。
まとめ|小さな一歩が将来の安心に
親が元気なうちにこそ、一緒に話し合って生前整理を進めていきましょう。親にとっては子どもと一緒に過ごす時間が増えたり、大切な思い出を保管する機会となります。また、合わせて親がケガせず長く住み続けられるような環境を整備することもできるといいと思います。
少しずつ家族と話し合って物を減らしていくことで、トラブルや喧嘩を防ぎ、相続が発生した際にもスムーズに対応できる準備ができます。生前整理はメリットしかありません。
もし自分たちだけで進められなかったり、必要な士業の紹介が必要だったりした場合には遠慮なくお問い合わせください。
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